高齢化が進むのは人間だけではありません。最近では犬の寿命も延び、高齢になるにつれて「犬の認知症（犬認知機能不全症候群）」が注目されています。
この記事では、認知症になりやすい犬種・なりにくい犬種、その原因や予防法について、できるだけわかりやすく詳しくご紹介します。
＜この記事はこんな方におすすめ＞
- 犬の認知症になりやすい犬種・なりにくい犬種の特徴を知りたい方
- 犬の認知症の原因と主な症状を知りたい方
- 認知症を予防するための具体的なケア方法を知りたい方
- 認知症になりやすい犬種
- 認知症になりにくい犬種
- なぜ認知症になりやすい犬と認知症なりにくい犬がいるのか？
- 認知症になりやすい犬種は何歳から発症する？
- 犬の認知症の症状
- 認知症になりやすい犬種の認知症の予防と対策
- まとめ
スポンサーリンク
認知症になりやすい犬種
1. 柴犬
日本犬の中でも特に認知症の発症率が高いとされる犬種です。
柴犬は長寿な犬種であり、高齢期を迎える犬が多いことが一因と考えられています。また、警戒心が強くストレスを感じやすい性格も、脳への負担につながっている可能性があります。
2. 秋田犬
秋田犬も同様に認知症を発症しやすいとされています。
体格が大きく、比較的落ち着いた性格ですが、刺激の少ない環境で長く過ごすことで脳が退屈し、認知機能が低下しやすいと考えられています。
3. 甲斐犬
甲斐犬は、古来より猟犬として活躍してきた日本犬です。
非常に賢く忠誠心が強い反面、頑固で神経質な面もあり、環境の変化やストレスに敏感です。これが脳の老化を促す要因になるとされています。
認知症になりにくい犬種
1. ゴールデンレトリバー
社交的で頭が良く、適度な運動を好む性格から、認知症のリスクが比較的低いとされています。
人とのふれあいや遊びが大好きなため、脳への刺激が多く、老化を遅らせやすい傾向があります。
2. チワワ
小柄ながらも活発で好奇心旺盛なチワワも、認知症になりにくい犬種とされています。
小型犬は寿命が長いため、高齢でも活動的な個体が多く、日々の刺激が脳の若さを保ちやすくしています。
3. ミニチュアダックスフンド
胴長短足が特徴のこの犬種も、比較的認知症に強い傾向があります。
性格は陽気で遊び好き。刺激の多い生活を送ることで脳の健康が保たれやすいといわれています。
なぜ認知症になりやすい犬と認知症なりにくい犬がいるのか？
主な理由は、遺伝的な要因と生活習慣の違いです。
まだ明確な原因は解明されていませんが、以下のような生理的変化が関与していると考えられています：
-
脳内の神経細胞の減少
-
脳血流の低下
-
老化により蓄積する異常タンパク質（βアミロイドなど）
これらの変化が進むと、記憶や学習能力、空間認識能力などに支障をきたし、やがて認知症を引き起こします。
認知症になりやすい犬種は何歳から発症する？
発症年齢には個体差がありますが、およそ11歳頃から兆候が出始め、13歳以降になると急増すると報告されています。
特に認知症になりやすい犬種では、10歳を過ぎた頃から予防を意識しておくのが理想的です。
犬の認知症の症状
犬の認知症の症状は、大きく5つのカテゴリーに分類されます：
① 見当識障害
-
慣れた場所で迷子になる
-
家族の顔を忘れる
-
家具にぶつかる
② 飼い主への反応の変化
-
名前を呼んでも反応しない
-
なでても無反応
-
コマンドに従わない
③ 睡眠と覚醒のリズムの乱れ
-
夜間に起きて徘徊する
-
昼間に眠り続ける
-
睡眠時間が不規則になる
④ 排泄行動の変化
-
トイレ以外での排泄
-
失禁が増える
⑤ 行動の異常
-
夜鳴きや単調な遠吠え
-
同じ方向にぐるぐる回る
-
隙間に入って出られなくなる
-
食欲の変化（増減）
もちろん、個体差がありますので一概に言い切ることはできませんが、このような症状が見られたら早めに獣医師に診てもらうことをおすすめします。
スポンサーリンク
認知症になりやすい犬種の認知症の予防と対策
1. 適切な食事
抗酸化物質のDHAやEPAを含む食事が良いとされており、脳の健康をサポートしてくれます。
＜犬の認知症予防に効果的とされる主な食材 ＞
1. 魚
サーモンやサバなどの魚は、DHAやEPAが豊富で、犬の脳の健康に良いとされています。ただし、骨などは取り除いて適切に調理したほうが良いです。
2. 緑黄色野菜
ほうれん草やブロッコリーなどの野菜は、ビタミンや抗酸化物質が豊富で、犬の健康に役立ちます。生ではなく、軽く茹でて与えるのがおすすめです。
3. ブルーベリーやイチゴ
ブルーベリーやイチゴにはフラボノイドという物質が豊富に含まれています。これがストレスや炎症を軽減してくれます。さらに認知機能の低下を抑えるようです。 また、ブルーベリーに含まれるアントシアニン色素は、過剰に発生した有害な活性酸素を抑える働き(抗酸化作用)があることもわかっています。
少量をおやつとして与えるのが良いとされています。
4.ターメリック
抗炎症作用があり、犬の脳の健康をサポートしてくれるといわれています。少量を食事に混ぜて与えるのがおすすめです。
※与える前に獣医師と相談のうえ、適量を守って与えてください。
サプリメントで、手軽に摂取することもできます。
2. 定期的な運動
毎日の散歩や軽い運動は、脳への血流を促し、健康維持に役立ちます。日常的に軽い運動や遊びを取り入れてあげるのがおすすめです。
3. メンタル刺激
犬の脳を活性化させるために、メンタルに刺激を与えることが重要とされています。知育おもちゃやパズル、おやつ探しゲーム、トレーニングなど、犬に考えさせる遊びを取り入れることで脳の活性化につながります。
4. 獣医師のサポート
動物病院での定期検診は、認知症の早期発見・早期介入に非常に有効です。早期発見と適切な治療のために、定期的な健康チェックをすることが認知症のリスクを軽減してくれます。
まとめ
犬の認知症は避けられない病気ではありません。
日常のちょっとした工夫やケアで、症状の進行を大きく遅らせることが可能です。
とくに認知症になりやすい犬種を飼っている場合は、若いうちからの予防対策がカギとなります。
愛犬がいつまでも元気に楽しく過ごせるように、ぜひ本記事の内容を参考に、今日からできるケアを始めてみてください。
この記事が、愛犬の健康管理に役立つことを願っています。
＼こちらの記事も参考にしてみてください／
